「アジャイル開発」についての情報シェア|社員ブログ|アベールソリューションズ株式会社
BLOG
社員ブログ
2024.06.04
ハウツー
「アジャイル開発」についての情報シェア
こんにちは。アプリケーションサービスディビジョンのKと申します。
近年、ローコード・ノーコードツールやChatGPTに代表される生成AIの進化にともない、技術の進展によって変化のスピードは以前よりも一段と速まっています。
このような急速な変化に対応するため、アジャイル手法を用いてビジネス要求を迅速に実現するプロジェクトがさらに増加していると感じます。
そのような時代背景もあり、「アジャイル」という言葉は広く普及している一方で、現場や人によってその解釈が異なっていることも多く、具体的なイメージが湧かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
皆さんは「アジャイル」という言葉を聞いたとき、どのようなイメージを持ちますでしょうか?
迅速な対応、柔軟な適応、継続的な改善といった要素が浮かぶかもしれませんが、その意味や実際の実践方法については様々な解釈があるかと思います。
そこで今回は、「アジャイル」という言葉の意味や歴史、その価値・原則をシェアさせていただきます。
どなたかのお役に立てれば幸いです。
① アジャイルの言葉そのものの定義
英単語 “agile” は、「素早い・機敏な・敏捷な」といった意味です。
システム開発などで使われる際は、主に開発手法の方法論を指します。
システム構築に長い時間を要する「ウォーターフォール」に対して、迅速に構築するという意味で「アジャイル」という言葉が使われています。
近年、技術の進化やビジネス環境の変化により開発サイクルの短縮が強く求められている中で、アジャイルは今後も主要なワードであり続けると考えています。
② アジャイルの歴史
ウォーターフォール開発の「長期間・重厚な」ソフトウェア構築方法に対し、1990年代中頃から「Scrum(スクラム)」や「XP(eXtreme Programming)」といった開発手法が登場し始めました。
これらの方法論の関係者が集結し、ウォーターフォールの方法論に異を唱える形でアジャイル方法論が作成され、2001年にアジャイルソフトウェア開発宣言として正式に普及を始めました。
この宣言により、アジャイル開発の考え方や実践方法が広まり、ソフトウェア開発の新しい標準として認識されるようになりました。
③ アジャイル開発宣言
アジャイル開発宣言は、アジャイルの「4つの価値」を基に、「12の原則」を指針としてまとめたものです。
これらの価値と原則は、ソフトウェア開発の柔軟性と効率性を高めるためのガイドラインとして機能しています。
最近では、これらの価値・原則がプロジェクトマネジメントの標準ガイドラインであるPMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)にも取り入れられるなど、アジャイルの影響はさらに広がっています。
4つの価値
出典:アジャイルソフトウェア開発宣言 https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html
アジャイルの基本となる価値観です。
以下の4つの文言で、左側の価値を認めつつも右側の事柄により価値を置くという宣言です。
1.プロセスやツール よりも 個人と対話を
2.包括的なドキュメント よりも 動くソフトウェアを
3.契約交渉 よりも 顧客との協調を
4.計画に従うこと よりも 変化への対応を
「4つの価値」は、アジャイル対応を行う際に持っておくべき価値観です。
この価値観は、固定的な計画や事前に決められたプロセスに縛られるのではなく、より柔軟で実際の価値を追求するアプローチを促します。
例えば、「お客様の計画・要求がこうだからその通りにする」ではなく、
「その計画・要求が本当に価値あるものかを顧客と会話し、真に必要なものを見極める」
ことを重視します。
また、「プロセスがお客様と事前に決められているから疑わずに従う」のではなく、
「そのプロセスが現実に即して価値を生み出しているかを定期的に振り返り、必要に応じて改善する」
といった行動に価値を置いています。
このように、アジャイルの4つの価値は、変化する環境や顧客のニーズに柔軟に対応し、継続的に価値を提供するための指針となります。
アジャイルの価値観を理解し実践することで、より効果的なプロジェクトマネジメントと高品質なソフトウェア開発が実現できます。
12の原則
出典:アジャイル宣言の背後にある原則 https://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html
こちらはアジャイル開発を行う際に、具体的にどのようなマインドセットで行動すべきかという指針がまとめられています。
12の原則は、アジャイル方法論の指針となる重要な原則です。
このマインドセットを持つことで、「変化に対して柔軟に対応する」ことや「開発をビジネス要求と一致させる」可能性を高めることができます。
1.顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。
2.要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。
3.動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースします。
4.ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなりません。
5.意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。
6.情報を伝えるもっとも効率的で効果的な方法はフェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。
7.動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。
8.アジャイル・プロセスは持続可能な開発を促進します。一定のペースを継続的に維持できるようにしなければなりません。
9.技術的卓越性と優れた設計に対する不断の注意が機敏さを高めます。
10.シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です。
11.最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます。
12.チームがもっと効率を高めることができるかを定期的に振り返り、それに基づいて自分たちのやり方を最適に調整します。
おわりに
今回はアジャイルについて情報を紹介させていただきました。
アジャイル対応にご興味のある方は、関連書籍も多数出版されていますので、ぜひ深掘りしてみてください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。