幸福度を上げるハック|社員ブログ|アベールソリューションズ株式会社
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2024.10.21
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幸福度を上げるハック
ご挨拶
はじめまして。テクニカルサービスディビジョンのK.Aです。
私はルート案内、お店選び、ネットでの買い物、アプリでの出会いまでもアルゴリズムにかなり影響されています。
それらは統計やデータ分析により“なにか”に最適化された結果です。
便利ですが私はそれで幸せなのか考えてみました。
実は私自身は、条件反射で動くプログラムのように生きていた時期があるように思います。
今回は「幸福度」をテーマに考え、統計データをまとめました。
統計データは見ておいて損はないと思いますので、ブログをご覧いただいた方のライフハックの参考になる部分があれば嬉しく思います。
年収と幸福度
内閣府が4000人を対象にした調査によると、年収と幸福度(自己採点)には相関があるそうです。
年収400万~600万程で概ね頭打ちとなり、そこからあまり伸びないのが特徴となっています。
このことから、幸福度に必要なのは過度なお金ではないということが分かります。
一方、200万円未満では幸福度が極端に低くなっていることから、私感では、惨めな思いをする頻度によるものではないかと考えました。
(出典:国民生活選好度調査(内閣府)https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10361265/www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/h23/23senkou_02.pdf)
なお、他国の調査ではしばしば「年収は高ければ高いほど幸福度が高い」と書かれている記事がありますが、私が調べた限りほとんどは指標が「生活の満足度」になっており「幸福度」ではないことに気が付きました。
(年収1億あればそりゃあ“生活満足度”は高いと自己評価するだろう。)
マインクラフト作者が、マインクラフトが売れ億万長者となった後に「今これまでにない程に孤独だ」と発言したように、生活には満足していても幸福度は高くなかったのかもしれません。
そこで、「幸福度」について調べてみました。
(出典:国民生活選好度調査(内閣府)https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10361265/www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/h23/23senkou_02.pdf)
幸福感を自己採点する際に重視する事項としては、主に「所得や消費」といった家計の状況や「健康状況」、「家族関係」が挙げられるようです。
ストレスと寿命の相関
エディンバラ大学の6万人に対する10年間追跡調査では、ストレスは寿命に影響し、うつ病や不安症を抱えている人は癌や心臓病、脳卒中を発症しやすく寿命が短くなるという実験結果となりました。
しかしどの程度のストレスが寿命や病気の発症に影響するのか、具体的な実験内容については私の調べでは確認ができませんでした。
別の研究では、自覚的なストレスとその頻度が高いと喫煙・酒・運動不足が多くなるという結果が出ています。
これは私の感覚とも一致しています。
(情報元:デンマーク予防医学研究所 ThomasTruelsen)
以上の実験からストレスは悪と捉えられそうですが、意外な結果が出ています。
アメリカの3万人を対象にした調査で、「ストレスは健康に悪いと思うか」という質問に「イエス」と答えるグループの死亡率が高かった一方で、
「ノー」と答えたグループの死亡率が他のグループよりも低かった(ストレスを感じていないと答えるグループよりも低かった)のです。
また、別の研究ではストレスが高いほど幸福感が高く、過去にストレスの多い経験をしたことがある人物ほど「人生を有意義だった」と答える傾向が強かったといいます。
結局、ストレスに対してどのように向き合うかという姿勢が問われているのかもしれません。
結婚・離婚後の幸福度
内閣府の調査によると、結婚している人の幸福度が高くなっています。
しかし、その後に離婚(離別)・死別してしまうと幸福度が下がっており、女性は少ししか下がりませんが、
男性の場合は大きく下がり未婚よりも低くなっています。
これに関しては確かに、個人的に私の周りでは離婚後の男性は生活習慣が乱れやすく、野菜を食べず、飲酒量が増え、運動が減るなど自堕落な人が多いような気がします。
離婚後の男性は糖尿病が有配偶者に比べ12倍、肝疾患は9倍も死亡率が高いという調査結果もあるくらいです。
(荒川和久「なぜ『離婚男性』の病気死亡率が高いのか」2018年)
(出典:平成26年版男女共同参画白書(内閣府)https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h26/gaiyou/pdf/h26_gaiyou.pdf)
先に紹介したように結婚している人の幸福度が高い傾向があると紹介しましたが、では夫婦仲が悪い場合はどうなのでしょうか?
慶応大学教授による、女性を対象とした研究では、「夫婦関係に不満」のグループは「未婚」グループよりも幸福度が低い結果となったそうです。
(佐藤一磨 夫婦関係満足度と幸福度 https://www.pdrc.keio.ac.jp/uploads/DP2021-001_jp.pdf)
ただ結婚すれば幸せになるというわけではなく、当然ですが夫婦仲やその他の要素も幸福度に影響しているのでしょう。
色々な調査がありますが、私の調べでは概ねV字型の結果でした。
(例:アメリカ・ダートマス大学のデービッド・ブランチフラワー教授の調査)
10代は幸福度が高く、その後30代から40代前後で最も幸福度が低くなり、その後は徐々に上昇しています。
30代から40代前後は仕事や人生のイベントと重なり多忙な時期でもあるのが影響しているのかもしれません。
(出典:平成24年 生活の質に関する調査結果(内閣府)https://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/shiryou/7shiryou/3.pdf)
重視した項目
幸福度を自己判断する際に重視した項目は(いくつでも選択可能)、「家計の状況」「健康状況」「家族関係」と回答する人が多い結果となりました。
これに関しては、項目ごとに選択した人と、選択しなかった人の幸福感を比較した結果が顕著でした。
例えば、「家計の状況」を重視するとした人は平均幸福度よりも幸福度が低く、逆に、「家族関係」や「友人関係」を重視するとした人は平均幸福度よりも幸福度が高いという結果になりました。
これを見た際に、お金を重視するより家族や友人を大事にしたいと個人的に思いました。
(出典:平成24年 生活の質に関する調査結果(内閣府)https://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/shiryou/7shiryou/3.pdf)
困難時に助けてくれる人の数
内閣府の調査によると、助けてくれる人の数と幸福度に相関があるそうです。
困難時に助けてくれる人がいない場合、幸福度が最も低くなっています。
かなり顕著な結果が出ているので、人を頼れる状況を作っておくことは幸福度に大きく影響するのだと感じました。
(私も男性ですが)個人的に男性は年々コミュニティーを閉じていく人が多いイメージがあります。
将来孤独な老人にならないように、地域付き合いや人と協調して仲良くするというのは青臭い気もしますが、根本方針としては大事なのかもしれません。
(出典:平成24年 生活の質に関する調査結果(内閣府)https://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/shiryou/7shiryou/3.pdf)
免責(私の言い訳等)
・幸福度と満足度は違う。だから参照データが古い。
・相関のデータを用いたが、因果関係は証明されていないため幸福度の高いグループと同じ行動をしたとしても幸福度が上がるというものではない。
・AIが進化し、今後は「幸福な選択肢」がかなり高い精度で提示される未来が必ずくる。でもそれは機械管理された奴隷のような幸せかもしれない。
・幸福度を上げればよいかというとそうでもないと思う。時に失敗や後悔をして、それが成功に結びつくことがあり、不安や不満や怒りは幸せの種になりえるからだ。
・統計の外にいると思っている人にとって、統計データなどなんの意味もない。
最後に
幸福度を10点満点で自己採点する実験が多いですが、そもそも自己採点で本当の幸福度を測れるのでしょうか?
点数化すると足りない要素を探して客観的になってしまう人が多い気もします。
幸せは主観のため客観的に点数化する必要はないと思いますし、自己採点などしない方が幸せなのかもしれません。
「とにかく幸せっぽい!」で十分ではないでしょうか。
よく考えると、幸せを深堀して探求していることが幸せじゃない気がします。
幸せな人は自分が幸せかなんていちいち考えないような気も。
冒頭で私は「統計データは見ておいて損はない」と言いましたが、撤回します。
こんなものは忘れた方がいい。一度意識してから放棄すればいい。
私もこんなテーマなど考える意味がなかったと、この統計データを頭から消すよう自分自身のアルゴリズムを変えることにします。
皆さんにとっても、この記事が意味のないくだらないものになりますように。